豊島区の民泊条例を完全解説|営業日数・許可・規制まとめ
豊島区で民泊を始める場合は、住宅宿泊事業法による年間営業日数だけでなく、豊島区独自の条例や事前手続きも確認しなければなりません。

豊島区で民泊を始める場合は、住宅宿泊事業法による年間営業日数だけでなく、豊島区独自の条例や事前手続きも確認しなければなりません。特に2026年12月16日から区域・期間に関する新たな制限が施行される予定であり、開業時期や物件の用途地域によって判断が変わります。
この記事では「豊島区 民泊 条例」を調べている方に向けて、現在の営業ルール、今後適用される期間制限、住宅宿泊事業と旅館業の違い、届出前の周辺住民への説明、消防・建築上の確認事項まで順番に解説します。制度は改正されることがあるため、実際に届出や工事を進める前には、必ず豊島区保健所や消防署などの関係窓口へ最新情報を確認してください。
豊島区の民泊条例の概要
豊島区で住宅を利用して宿泊サービスを提供する場合、代表的な方法は住宅宿泊事業法に基づく届出、いわゆる「民泊新法」による営業です。住宅宿泊事業では、対象物件が法律上の「住宅」に該当し、豊島区へ物件ごとの届出を行うことで、原則として年間180日以内の範囲で宿泊者を受け入れられます。
ただし、国の法律だけを確認すればよいわけではありません。豊島区では、地域住民の生活環境を守るために「豊島区住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例」を定めています。2025年12月15日には改正条例が施行され、周辺住民への説明、国内代理人の選任、町会加入に関する協議など、届出前後に求められる対応が強化されました。
さらに、2026年12月16日からは営業できる期間と新規開設できる区域にも制限が加わります。現在営業できる物件にも期間制限が適用される予定であるため、すでに届出を行っている事業者も無関係ではありません。
- 住宅宿泊事業として営業する場合は年間180日が法律上の上限
- 現在は区内の区域・期間制限が施行前だが、2026年12月16日から変更予定
- 届出前に周辺住民への書面周知と説明会が必要
- 家主不在型では登録を受けた住宅宿泊管理業者への委託が必要
- 消防、建築、管理規約、廃棄物処理などを届出前に確認する
適用される法律と営業方式の違い
豊島区で宿泊施設を運営する方法は、住宅宿泊事業だけではありません。営業日数や物件用途、運営計画によっては、旅館業法に基づく簡易宿所営業の許可を検討する必要があります。どの方式を選ぶかによって、必要な手続きや設備基準、年間の営業可能日数が異なります。
住宅宿泊事業法による民泊
住宅宿泊事業は、生活の本拠として使われている住宅や、入居者募集が行われている住宅など、法律上の要件を満たす住宅を活用する制度です。豊島区への届出が必要ですが、旅館業の「許可」とは異なり、必要事項と書類が整っていることを確認してもらう届出制度です。
営業日数は全国共通で年間180日以内です。日数は毎年4月1日正午から翌年4月1日正午までの期間で数えられ、宿泊者を受け入れた日を基準に管理します。180日を超えて営業すると、住宅宿泊事業の範囲を外れ、旅館業法違反となる可能性があります。
旅館業法による簡易宿所営業
年間を通して営業したい場合は、旅館業法に基づく簡易宿所営業などの許可が選択肢になります。旅館業では住宅宿泊事業の年間180日上限はありませんが、用途地域、建築基準、消防設備、客室や玄関帳場等の基準など、住宅宿泊事業とは異なる条件を満たさなければなりません。
物件を購入・賃借してから許可が取得できないことが判明すると、改修費や賃料が無駄になるおそれがあります。契約前に用途地域と建物用途を調査し、豊島区保健所、建築担当部署、消防署へ相談することが重要です。
特区民泊について
国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業、いわゆる特区民泊は、指定された自治体で利用できる制度です。豊島区では一般的な開業方式として利用する制度ではないため、住宅宿泊事業または旅館業許可を中心に検討します。
豊島区独自の営業日数・区域・期間制限
豊島区の民泊条例で特に注意したいのが、2026年12月16日から施行される区域・期間制限です。施行前後で営業条件が変わるため、「現在営業できるから今後も同じ条件で続けられる」とは限りません。
2026年12月15日までの営業日数
2026年12月15日までは、豊島区内の住宅宿泊事業に区域・期間の制限は設けられていません。そのため、住宅宿泊事業法の上限である年間180日以内であれば、曜日や季節を限定せず営業日を設定できます。
ただし、180日は自動的に営業できる日数ではありません。賃貸借契約、マンション管理規約、用途地域、消防・建築上の安全基準などを満たす必要があり、届出が受理される前に営業を開始することもできません。
2026年12月16日からの期間制限
2026年12月16日からは、豊島区内全域において、住宅宿泊事業を実施できる期間が次の春休み・夏休み・冬休みに限定される予定です。合計すると年間120日間となり、国の上限である180日より短くなります。
- 春休み:3月15日から4月10日までの27日間
- 夏休み:7月1日から8月31日までの62日間
- 冬休み:12月15日から翌年1月14日までの31日間
制限の施行直後にあたる年度には経過的な数え方が生じますが、制度が通年で適用される年度以降は、基本的に上記120日間が営業可能期間になります。営業日を自由に分散できなくなるため、夏休み期間に需要を取り込む料金設定や、休業期間中の固定費を含めた収支計画が必要です。
新規開設ができなくなる区域
同日から、住居専用地域、住居地域、準工業地域、文教地区では、住宅宿泊事業の新規開設ができなくなる予定です。豊島区の公表資料では、これらの区域が区内のおよそ70%を占めるとされています。
この制限は「豊島区全域で新規民泊が禁止される」という意味ではありません。対象外の区域では、ほかの要件を満たすことで届出を検討できます。一方で、地図上の住所だけから用途地域を判断するのは危険です。敷地が複数の用途地域にまたがる場合や、文教地区等の指定が重なる場合もあるため、行政窓口で確認しましょう。
既存施設にも期間制限が適用される
期間制限は、施行日以降に新しく届出を行う施設だけではなく、すでに営業している届出住宅にも適用される予定です。既存施設は直ちに廃業しなければならないわけではありませんが、営業可能な時期は春休み・夏休み・冬休みに限られます。
区域・期間制限に違反した場合は、条例に基づき5万円以下の過料が科される可能性があります。加えて、指導、勧告、公表、住宅宿泊事業法に基づく業務改善命令や業務停止命令などの対象になることも考えられます。
2026年12月16日以降は、年間180日の枠をすべて使えるとは限りません。豊島区内全域の営業期間が年間120日間に限定されるため、売上予測は120日を上限として作成し、休業中の家賃、ローン、管理費、通信費なども含めて採算を確認してください。
条例だけでなく、民泊需要やおすすめエリア、収益性も知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
豊島区で民泊を始める完全ガイド|おすすめエリア・許可・収益化のポイントを解説 ›豊島区で民泊を始める届出・許可申請の流れ
住宅宿泊事業の届出は、国の民泊制度運営システムを利用する方法と、豊島区生活衛生課の窓口へ書類を提出する方法があります。書類提出を利用する場合は予約が必要とされているため、事前に担当窓口へ連絡しましょう。
届出書を提出するだけで営業を開始できるわけではありません。豊島区では、周辺住民への説明や消防署への相談など、届出前に済ませる事項が細かく定められています。物件調査から営業開始までの流れは、次のように整理できます。
1.物件が住宅宿泊事業に使えるか確認する
最初に、物件が住宅宿泊事業法上の「住宅」に該当するかを確認します。台所、浴室、便所、洗面設備が備わっていることに加え、現に人の生活の本拠として使用されている、入居者を募集している、または随時所有者等の居住に使われているといった要件が関係します。
賃貸物件では、賃貸人から転貸や住宅宿泊事業の承諾を得る必要があります。分譲マンションでは、管理規約に民泊禁止の定めがないことだけでなく、管理組合として禁止する意思がないことを確認します。
2.豊島区や消防署へ事前相談する
届出予定の物件情報や図面を用意し、豊島区の生活衛生課へ事前相談します。同時に、管轄消防署へ住宅宿泊事業を予定していることを伝え、必要な消防設備や避難経路について確認します。
建物の規模、家主居住の有無、宿泊室の床面積などによって必要な安全措置が変わります。自動火災報知設備、誘導灯、非常用照明、消火器などの設置が必要になることもあるため、設備工事の見積もりは早い段階で取得しましょう。
3.周辺住民へ書面周知と説明会を行う
豊島区では、届出の14日前までに、対象となる周辺住民へ書面で事業内容を周知し、説明会を実施することが求められています。対象は、原則として届出住宅の敷地境界線からおおむね20メートル以内の建物に居住する人です。
届出住宅が公道に接していない場合は、接続する私道等に面した建物の居住者も対象になります。説明時には、施設所在地、事業者や管理業者の連絡先、営業方法、騒音・ごみ対策、緊急時の対応方法などをわかりやすく伝えることが重要です。
4.管理体制や廃棄物処理を整える
家主が不在になる住宅では、国土交通大臣の登録を受けた住宅宿泊管理業者へ管理業務を委託します。豊島区では、宿泊者名簿を正確に作成するための対面による本人確認と鍵の手渡し、苦情通報時の30分以内の現場駆け付け・対応着手などが求められています。
民泊から出るごみは家庭ごみではなく事業系ごみとして処理します。一般廃棄物処理業者との契約を行い、宿泊者にも分別・排出方法を案内できる体制を作ります。また、届出住宅が所在する町会への加入について協議した結果を整理することも必要です。
5.必要書類をそろえて届出する
届出書のほか、登記事項証明書、住宅の図面、賃貸人や管理組合の承諾に関する書類、消防機関への相談記録、安全措置チェックリスト、周辺住民への事前周知記録などを準備します。個人と法人では必要書類が異なり、海外在住の個人や外国法人には国内代理人の選任も求められます。
書類に不足や不整合があると、営業開始予定日が遅れる可能性があります。予約公開や宿泊者の募集は、届出が受理され、届出番号と標識の準備が整ってから進めましょう。
消防・建築・マンション規約で確認すること
民泊の届出では、保健所の手続きだけに意識が向きがちですが、消防法や建築基準法、マンション管理規約の確認も欠かせません。届出が受理されても、ほかの法令に適合していなければ安全に営業を続けることはできません。
消防設備と避難経路
宿泊者は建物の構造や避難経路に慣れていないため、一般住宅よりも明確な安全対策が求められます。寝室から屋外まで安全に避難できるか、避難経路上に障害物がないか、各階の案内表示が理解しやすいかを確認しましょう。
消防設備の要否は、家主が同じ住宅内に居住しているか、宿泊室の面積がどの程度か、建物全体がどのように使われているかによって変わります。自己判断で設備を購入せず、図面を持参して消防署へ相談することが大切です。
建築基準法と用途地域
住宅宿泊事業は住宅を活用する制度ですが、建物の増改築や間取り変更を行う場合は、建築基準法上の確認が必要になることがあります。採光、換気、防火区画、廊下幅、階段、非常用照明などが問題になるケースもあります。
簡易宿所営業を選ぶ場合は、建物用途の変更や用途地域による制限がより重要になります。特に2026年12月16日以降に住宅宿泊事業を新規開設する場合は、豊島区条例上の禁止区域にも該当しないか、あわせて確認しなければなりません。
賃貸借契約と管理規約
賃貸住宅で民泊を行う場合、契約書に転貸禁止や事業利用禁止の条項がないかを確認します。口頭で了承を得るだけではなく、住宅宿泊事業への使用を認める書面を準備しておくと、届出時の確認を進めやすくなります。
分譲マンションでは、管理規約に明確な禁止条項がなくても、管理組合が禁止方針を決議している場合があります。共用部への標識掲示、鍵の受け渡し、宿泊者の出入り、ごみ置き場の利用などについても、管理組合との調整が必要です。
近隣トラブルや違反を避けて運営するための注意点
豊島区では住宅地と商業地が近接しており、池袋などの繁華街から短い距離に住宅街が広がっています。宿泊者にとっては便利な立地でも、深夜の騒音、ごみの放置、喫煙、共用部の占有などが発生すると、近隣住民の生活へ直接影響します。
条例への対応は、届出時の書類作成で終わりではありません。営業開始後も、宿泊者への説明、苦情対応、記録保存、定期報告を継続し、運営ルールが現場で守られているかを確認する必要があります。
宿泊者へ事前にハウスルールを伝える
予約成立後とチェックイン時に、騒音、ごみ、喫煙、共用部の利用、立入禁止場所、緊急連絡先を案内します。外国人宿泊者を受け入れる場合は、日本語だけではなく、理解できる言語や図を使って説明しましょう。
「夜間は静かにしてください」とだけ書くのではなく、静粛時間、禁止行為、違反時の対応を具体的に示すことが大切です。予約サイトの掲載ページにも重要事項を記載し、物件到着後に初めてルールを知らせる状態を避けます。
苦情へすぐ対応できる体制を作る
近隣住民から連絡があった際に、担当者へ電話がつながらない状態は大きな問題です。豊島区では通報時に30分以内の現場駆け付け・対応着手が求められているため、夜間や休日も対応できる人員配置が必要になります。
苦情を受けた日時、内容、現場確認の結果、宿泊者への注意、再発防止策を記録してください。同じ問題が繰り返される場合は、ハウスルールの修正、防音対策、宿泊人数の見直し、予約者の本人確認強化などを検討します。
標識掲示・宿泊者名簿・定期報告を忘れない
届出住宅には、法令や条例で定められた標識を公衆から見やすい場所へ掲示します。共同住宅では、法定標識に加えて、郵便受けなどへ豊島区指定の標識を掲示するための了承が必要になることがあります。
宿泊者名簿には、氏名、住所、職業、宿泊日などの必要事項を正確に記録します。日本国内に住所を有しない外国人宿泊者については、旅券情報の確認や写しの保存が必要です。本人確認を形式的に済ませず、予約者と実際の宿泊者が一致しているか確認しましょう。
住宅宿泊事業者は、偶数月の15日までに前2か月分の宿泊日数や宿泊者数などを報告します。営業実績がない期間でも報告が必要になる場合があるため、提出期限を運営スケジュールに組み込んでおくことが重要です。
条例や許可申請を理解したら、次は運営方法を検討しましょう。 特に初めて民泊を始める方は、地域に詳しい運営代行会社へ依頼することで、開業から運営までスムーズに進められます。
豊島区の民泊運営代行会社おすすめ5選|料金・特徴を比較 ›豊島区の民泊条例に関するよくある質問
豊島区では年間何日まで民泊を営業できますか?
住宅宿泊事業法上の上限は年間180日です。ただし、2026年12月16日から豊島区内全域で営業期間が春休み、夏休み、冬休みに限定される予定です。制度が通年で適用される年度以降は、合計120日間が基本的な営業可能期間となります。
池袋周辺であれば一年中営業できますか?
池袋駅に近い商業エリアであっても、2026年12月16日以降の期間制限は豊島区内全域に適用される予定です。そのため、区域制限の対象外で新規開設できる物件でも、住宅宿泊事業として一年中営業することはできません。通年営業を希望する場合は、旅館業許可を取得できるか検討します。
すでに届出済みの民泊も新しい条例の対象になりますか?
既存の届出住宅にも営業期間の制限が適用される予定です。一方、住居専用地域、住居地域、準工業地域、文教地区における「新規開設不可」は、新しく開設する住宅宿泊事業が対象となります。既存施設であっても、変更内容によって扱いが異なる可能性があるため、移転や事業者変更を予定している場合は事前に区へ確認してください。
自宅に住みながら営業する場合も管理会社への委託が必要ですか?
家主が住宅内に居住し、不在時間などが法令上の要件を満たす家主居住型であれば、必ずしも住宅宿泊管理業者への委託が必要とは限りません。ただし、家主が不在になる形態では、原則として登録を受けた住宅宿泊管理業者への委託が必要です。実際の生活状況や不在時間を踏まえて判断します。
届出前に宿泊予約を募集してもよいですか?
届出が受理され、届出番号が発行される前に住宅宿泊事業として営業を始めることはできません。予約サイトへ掲載する際も届出番号等の表示が必要になるため、受理前に宿泊契約を確定させることは避けましょう。無届営業は旅館業法違反として処分や罰則の対象になる可能性があります。
豊島区で民泊を始める前のまとめ
豊島区で住宅宿泊事業を始める際は、国の年間180日上限だけでなく、区独自の届出前手続きと今後の区域・期間制限を踏まえて計画する必要があります。特に2026年12月16日以降は、区内全域で営業期間が春休み、夏休み、冬休みに限定されるため、年間売上と固定費の見直しが欠かせません。
また、住居専用地域、住居地域、準工業地域、文教地区では新規開設ができなくなる予定です。候補物件を契約する前に用途地域を確認し、豊島区保健所、消防署、建築関係部署、賃貸人や管理組合へ相談してください。
- 株式会社STAYCATION:届出手続きから予約管理、ゲスト対応まで幅広く相談したい方
- 株式会社EXseed:許認可取得から運営、清掃まで完全代行で任せたい方
- 合同会社エボルブ:リフォームやブランディングを含めて物件を立ち上げたい方
- 株式会社BizPato:完全代行と部分代行を比較し、多言語のゲスト対応も依頼したい方
- 株式会社TOCORO.:価格調整や清掃を含む完全代行を全国対応で相談したい方
条例や必要書類は変更される可能性があります。届出日や営業開始日を決める前に、豊島区の最新案内を確認し、行政窓口と相談しながら準備を進めましょう。
参考情報: 豊島区「事業者向け:住宅宿泊事業法について」、 豊島区「住宅宿泊事業法の条例を改正しました」、 観光庁「民泊制度ポータルサイト」
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