下田市で民泊を始めるには?届出・条例・許可の確認手順【2026年】
下田市で民泊を始める方向けに、住宅宿泊事業の届出、静岡県条例の平日制限、賀茂保健所の窓口、消防・建築・管理委託の確認手順を解説します。


下田市で民泊を始める方法は、大きく分けて住宅宿泊事業法に基づく届出と、旅館業法に基づく許可があります。どちらを選ぶかで、営業できる日数、物件に必要な要件、手続き先が変わります。
特に注意したいのが、静岡県条例による住宅宿泊事業の実施制限です。物件の契約や改修を先に進めるのではなく、所在地、用途地域、学校等からの距離、営業日数、家主が滞在中に不在となるかを整理してから行政窓口と消防へ相談しましょう。
制度の選択を誤ると、予定した営業日数を確保できない、追加工事が必要になる、届出を受け付けてもらえないといった問題につながります。候補物件ごとに確認結果を記録し、見積もりと収支計画へ反映してください。
この記事は2026年9月25日時点の公式情報を基にしています。制度や指定区域は変更されることがあるため、届出・申請前に静岡県、賀茂保健所、下田市、管轄消防本部の最新案内を確認してください。
下田市で民泊を始める2つの制度
1. 住宅宿泊事業法に基づく届出
住宅宿泊事業は、旅館業法の許可を受けた営業者以外が、宿泊料を受けて住宅に人を宿泊させる事業のうち、宿泊日数が1年間で180日を超えないものです。下田市内で行う場合は静岡県への届出が必要です。
対象となる住宅には、台所、浴室、便所、洗面設備が必要です。さらに、現に生活の本拠として使われている、入居者を募集している、随時所有者等の居住に使われている、という居住要件のいずれかを満たす必要があります。
180日は営業可能日数の上限であり、静岡県条例による曜日・区域の制限を受ける場所では、実際に営業できる日が少なくなります。
2. 旅館業法に基づく許可
年間180日を超えて営業したい場合や、住宅宿泊事業の住宅要件を満たさない物件では、簡易宿所など旅館業法上の許可を検討します。
旅館業の許可では、施設の構造設備、用途地域、建築基準、消防設備などの確認が必要です。住宅宿泊事業の届出とは別制度のため、「届出をすれば通年営業できる」とは限りません。物件取得や工事の前に、保健所、建築担当部署、消防へ同じ図面を示して相談することが重要です。
静岡県条例による営業制限

静岡県は、住宅宿泊事業の実施を制限する区域と期間を条例で定めています。公式案内で示されている原則的な制限は次のとおりです。
学校等の周辺100メートル以内
幼稚園、小中学校、高等学校、高等課程のある専修学校、外国人学校、認可保育園、認定こども園の周辺100メートル以内では、原則として月曜日から金曜日まで住宅宿泊事業の実施が制限されます。祝日と学校等の休業日は除かれます。
住居専用地域
第1種・第2種低層住居専用地域、第1種・第2種中高層住居専用地域では、原則として月曜日から金曜日まで実施が制限されます。祝日は除かれます。
このほか、市町との協議により、特別用途地区等や生活環境の悪化防止が特に必要な区域で制限が設けられる場合があります。静岡県の公式ページは、指定区域が今後変更される可能性があるため随時確認するよう案内しています。
物件が住居専用地域に該当するか、学校等から100メートル以内か、追加の指定区域に該当するかは、住所と地図だけで自己判断せず、下田市の都市計画担当と静岡県の窓口へ確認してください。
下田市の届出窓口は賀茂保健所
静岡県の公式案内では、下田市の住宅宿泊事業に関する問合せ・提出先は賀茂保健所 衛生薬務課です。
- 所在地:下田市中531-1
- 電話番号:0558-24-2054
- 管轄:下田市、東伊豆町、河津町、南伊豆町、松崎町、西伊豆町
住宅宿泊事業届出書は、管轄保健所等へ持参または郵送します。静岡県は民泊制度運営システムの利用も案内しているため、提出方法と必要書類は事前相談時に確認しましょう。
届出前に確認する書類と条件
静岡県の公式ページでは、個人・法人共通の主な添付資料として、次の書類を挙げています。
- 消防法令適合通知書
- 住宅の登記事項証明書
- 住宅の居住要件を証明する書類
- 台所・浴室・便所・洗面設備、間取り、出入口、床面積等を示した図面
- 賃借人・転借人の場合は、民泊利用についての賃貸人等の承諾書
- 区分所有建物の場合は、管理規約の写しなど
- 管理業務を委託する場合は、住宅宿泊管理業者から交付された書面の写し
官公署が証明する書類は、静岡県の案内では届出日前3か月以内に発行されたものとされています。個人と法人で追加書類が異なるため、公式のチェックリストを使って確認してください。
家主不在型は管理委託を確認
宿泊者が滞在している間に事業者が不在となる場合や、一つの届出住宅の居室数が5を超える場合は、原則として住宅宿泊管理業者への委託が必要です。
管理委託の要否は、単に「近くに住んでいるか」だけでは決まりません。日常生活上の通常の不在に当たるか、実際の運営体制が法令上の要件を満たすかを、届出前に賀茂保健所へ確認しましょう。
消防・建築・契約を先に確認する

届出には消防法令適合通知書が必要です。必要な消防設備は、建物の構造、面積、家主の居住状況、宿泊室の位置などで変わるため、設備を購入する前に管轄消防本部へ図面を持参して相談します。
また、法令上営業できる可能性があっても、賃貸借契約やマンション管理規約で民泊が禁止されている場合があります。賃貸物件では転貸と民泊利用の承諾を、区分所有建物では管理規約と管理組合の意思を、書面で確認してください。
開業までの確認手順

- 住宅宿泊事業の届出か、旅館業の許可かを決める
- 住所、用途地域、学校等からの距離、条例上の制限を確認する
- 賃貸借契約、転貸承諾、管理規約を確認する
- 賀茂保健所、下田市の都市計画・建築担当、消防へ同じ図面を示して相談する
- 必要な改修、消防設備、管理委託の内容を確定する
- 必要書類をそろえて届出または許可申請を行う
- 標識掲示、宿泊者名簿、周辺住民への説明、苦情対応、定期報告の運営体制を整える
契約後に営業制限や設備要件が判明すると、収支計画へ大きく影響します。購入・賃借・工事の前に行政確認を終える順番が安全です。
収支計画は営業可能日から逆算する
根拠のない平均稼働率や一律の宿泊単価を当てはめるのではなく、条例上営業できる日、繁忙期と閑散期、清掃・管理・光熱・保険・予約サイト手数料、修繕費を物件ごとに見積もります。住宅宿泊事業は年間180日が上限で、制限区域では平日の営業ができない期間もあるため、満室を前提にしない複数のシナリオが必要です。
少なくとも、想定どおりの場合、売上が想定を下回る場合、修繕や管理委託費が増えた場合の3パターンを作り、毎月の固定費と資金余力を確認しましょう。許可や届出の見込みが明確になる前に、収益予測だけを根拠として物件を契約しないことが重要です。
よくある質問
下田市の民泊は年間180日営業できますか?
住宅宿泊事業法上の上限は年間180日ですが、静岡県条例の制限区域では曜日による制限があります。物件所在地ごとに確認が必要です。通年営業を希望する場合は、旅館業法上の許可を検討します。
下田市独自の手続きだけで開業できますか?
住宅宿泊事業の届出先は静岡県で、下田市の管轄窓口は賀茂保健所です。一方、用途地域や建築、ごみ処理などは下田市への確認が必要になるため、県と市の両方へ事前相談してください。
近隣住民への説明は必要ですか?
観光庁は、届出にあたり周辺住民へ事前説明することが望ましいと案内しています。運営開始後は、騒音、ごみ、火災防止に関する説明と、周辺住民からの苦情・問合せへの適切かつ迅速な対応が必要です。
民泊で食事を提供できますか?
宿泊者へ飲食物を調理して提供する場合は、内容により食品衛生法上の営業許可等が必要になることがあります。宿泊の届出だけで判断せず、提供方法を整理して賀茂保健所へ確認してください。
まとめ

下田市で民泊を始める際は、年間180日の上限だけでなく、静岡県条例による学校等の周辺100メートル以内と住居専用地域の平日制限を確認する必要があります。
まず賀茂保健所へ相談し、下田市の都市計画・建築担当と消防にも同じ物件資料を示してください。根拠不明の料金相場や稼働率ではなく、実際に営業できる日数と必要な改修・管理費を確認してから収支計画を作ることが重要です。


