江東区で民泊はできる?条例・営業日数・許可申請を解説
江東区で民泊を検討しているなら、まず知っておきたいのが江東区独自の条例です。江東区は営業できる曜日を制限しており、一般的な民泊のイメージのまま届出をすると、思っていたより営業できる日が少なく戸惑うケースがあります。

江東区で民泊を検討しているなら、まず知っておきたいのが江東区独自の条例です。江東区は営業できる曜日を制限しており、一般的な民泊のイメージのまま届出をすると、思っていたより営業できる日が少なく戸惑うケースがあります。この記事では、江東区で民泊を行う際に適用される条例の内容、営業日数の考え方、届出・許可申請の流れまでをまとめて解説します。
対象地域の民泊条例の概要
民泊とは、住宅宿泊事業法に基づき、旅館業の許可を受けていない住宅などで人を宿泊させる事業のことで、1年間に人を宿泊させる日数が180日を超えないことが前提となっています。届出をすれば全国どこでも営業できるわけではなく、自治体が独自に条例を定めて営業できる区域や曜日を制限している場合があります。
江東区では「江東区住宅宿泊事業の適正な運営に関する条例」により、区独自の営業制限が設けられています。これは、住宅宿泊事業法第18条に基づいて自治体が制限区域を指定できる仕組みを活用したもので、江東区は区内全域を制限区域としています。マンションや戸建てが密集する住宅街だけでなく、湾岸エリアを含む区内すべてのエリアが対象になる点は、他区と比較検討する際に見落としやすいポイントです。
区は民泊を始める事業者向けに「江東区住宅宿泊事業の適正な運営に関するガイドライン」を公開しており、届出前にはこのガイドラインを確認することが推奨されています。条例と合わせてガイドラインの内容を把握しておくと、後の手続きがスムーズになります。
適用される法律と営業方式の違い
江東区で人を宿泊させて宿泊料を得る場合、主に次の2つの法律のどちらかに基づいて手続きを行うことになります。
- 住宅宿泊事業法(民泊新法):区長への届出制。年間180日以内という上限があるかわりに、比較的手続きが軽い
- 旅館業法(簡易宿所営業など):保健所長の許可制。曜日や年間日数の制限がなく、365日営業が可能
このほかに国家戦略特区を活用した特区民泊という制度もありますが、東京23区内で特区民泊を実施しているのは大田区のみで、江東区では利用できません。そのため、江東区で民泊を検討する場合の選択肢は、実質的に住宅宿泊事業法に基づく届出か、旅館業法に基づく許可のいずれかになります。
両者の大きな違いは、営業できる曜日・日数の自由度です。住宅宿泊事業法に基づく届出住宅は、後述する江東区の上乗せ条例によって営業できる曜日が限定されますが、旅館業法の許可を取得すれば、この曜日制限を受けずに運営できます。物件の立地や運用計画によって、どちらの方式が適しているかは変わってきます。
対象地域独自の営業制限・区域・曜日
江東区の条例で最も重要なのが、営業できる曜日の制限です。江東区は区内全域を制限区域に指定しており、月曜日の正午から土曜日の正午までは住宅宿泊事業を行うことができません。つまり、原則として営業できるのは土曜日の正午から月曜日の正午までの週末のみとなります。
ただし、国民の祝日に関する法律で定める休日については扱いが異なり、祝日の正午から翌日の正午までは制限の対象外です。そのため、祝日を挟む週は通常の週末に加えて営業できる時間帯が増えることになります。この制限は用途地域を問わず区内全域に適用されるため、商業地域や工業地域に立地する物件であっても、平日営業はできません。
- 制限区域は区内全域(用途地域を問わない)
- 原則として営業できるのは土曜正午〜月曜正午の週末のみ
- 国民の祝日は、祝日の正午〜翌日正午の間は制限対象外
- 平日中心の需要を見込んだ収支計画は成立しにくい
この曜日制限があるため、江東区で住宅宿泊事業として届出をする場合は、週末や祝日に稼働が集中する前提で収支計画を立てる必要があります。平日も含めた通年運営を想定している場合は、次の見出しで触れる旅館業法に基づく許可の取得も選択肢として検討する価値があります。
条例だけでなく、民泊需要やおすすめエリア、収益性も知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
江東区の民泊完全ガイド|始め方・おすすめエリア・成功のポイント ›届出・許可申請の流れ
江東区で住宅宿泊事業の届出を行う際は、いきなり書類を提出するのではなく、事前相談から始めるのが基本の流れです。区の環境衛生係では事前相談を電話予約制で受け付けており、来所前にガイドラインを一読しておくことが求められています。
届出までの大まかな流れは、次のようになります。
- 事前相談の予約と、ガイドラインの確認
- 誓約書やチェックリストなど、必要書類の準備
- 消防機関への事前相談と、消防機関事前相談記録書の取得
- 条例で定められた、近隣住民への書面での事前周知の実施
- 周知結果の区への報告
- 区長への届出書提出
届出後に住所や管理者などの内容に変更が生じた場合は、30日以内に変更届出書を提出する必要があります。事業者本人が亡くなった場合や、法人が合併・破産・解散した場合も同様に届出が必要になるため、長期的に運営する予定であれば、こうした手続き面もあらかじめ把握しておくと安心です。
消防・建築・近隣対応で確認すること
届出住宅として運営するためには、法律・条例上の書類手続きだけでなく、建物側の安全対策や近隣との関係づくりも欠かせません。特に確認しておきたいのが、消防用設備と近隣トラブル対策の2つです。
消防面では、住宅宿泊事業の実施にあたって消防機関への事前相談が必須とされており、火災報知設備や誘導灯といった消防用設備が、宿泊室の形態に応じて適切に設置されているかを確認する必要があります。分譲マンションや賃貸物件の場合は、そもそも管理規約で民泊が禁止されていないかどうかも、届出前に必ず確認しておきたいポイントです。
近隣対応については、条例で定められた書面での事前周知を形式的にこなすだけでなく、緊急連絡先や苦情受付の窓口をわかりやすく周知しておくことが、トラブルの予防につながります。ゴミ出しのルールや騒音への配慮など、基本的なマナーを宿泊者に伝える仕組みを整えておくことも、長く運営を続けるうえで重要です。
違反を避けて運営するための注意点
江東区で住宅宿泊事業を運営する際に、特に注意したいのが曜日制限の違反です。届出上は住宅宿泊事業として登録していても、制限されている月曜正午〜土曜正午の時間帯に実際に宿泊者を入れてしまうと、条例違反となるおそれがあります。予約管理システムやカレンダー上で、営業可能な曜日・時間帯を明確に区別しておくことが欠かせません。
また、住宅宿泊事業法では標識の掲示や宿泊者名簿の備え付け、都道府県知事等への定期報告といった義務も課されています。これらは届出時だけでなく、運営を続ける限り継続的に求められるものです。
- 営業できる曜日・時間帯を、予約システム上で厳密に管理する
- 標識の掲示、宿泊者名簿の備え付けを怠らない
- 定期報告など、届出後も継続して発生する義務を把握しておく
- 近隣からの苦情に対応できる体制を維持する
こうした管理は物件が1棟だけであれば自分でも対応できますが、複数物件を運営する場合や、本業と両立させたい場合は、負担が大きくなりがちです。曜日制限のある江東区だからこそ、稼働管理や近隣対応を含めて任せられる運営代行会社の活用を検討する事業者も少なくありません。
条例や許可申請を理解したら、次は運営方法を検討しましょう。 特に初めて民泊を始める方は、地域に詳しい運営代行会社へ依頼することで、開業から運営までスムーズに進められます。
江東区でおすすめの民泊運営代行会社5選|失敗しない選び方 ›よくある質問
Q1.江東区では民泊を平日に営業できませんか?
原則としてできません。江東区は区内全域を制限区域としており、月曜日正午から土曜日正午までは住宅宿泊事業の営業ができないため、実質的に土曜正午〜月曜正午の週末が中心の営業となります。
Q2.届出さえ済ませれば、誰でもすぐに民泊を始められますか?
届出だけでなく、近隣住民への事前周知や消防機関への事前相談、必要書類の準備など複数の手続きを経る必要があります。管理者の常駐・駆けつけ体制についても事前に整理しておくことが求められます。
Q3.マンションでも民泊を始めることはできますか?
建物の管理規約によります。管理規約で住宅宿泊事業や民泊利用を禁止している場合は、区への届出以前にそもそも運営ができないため、規約の確認が最初のステップになります。
Q4.旅館業法の許可を取れば、平日も営業できますか?
簡易宿所営業などの旅館業許可を取得した場合は、住宅宿泊事業法に基づく曜日制限を受けないため、条例上は平日を含めた営業が可能になります。ただし建築基準法上の手続きなど、住宅宿泊事業とは異なる要件が発生します。
Q5.民泊運営を代行会社に任せるメリットは何ですか?
曜日制限に合わせた予約管理や清掃、ゲスト対応、近隣対応などを任せられるため、本業と両立しながら運営したい方や、複数物件を効率的に管理したい方の負担軽減につながります。
まとめ
- 江東区は区内全域が制限区域で、月曜正午〜土曜正午は営業不可
- 営業できるのは原則、土曜正午〜月曜正午の週末と一部の祝日
- 届出前に、消防機関への相談や近隣への書面周知が必要
- 曜日制限を受けずに運営したい場合は、旅館業法の許可も選択肢になる
- 継続的な曜日管理や近隣対応が負担であれば、運営代行会社の活用も検討したい
江東区の民泊は、区独自の曜日制限があるからこそ、届出前の情報収集と、届出後の運営体制づくりが特に重要になります。条例の内容を正しく理解したうえで、無理のない運営方法を選んでいきましょう。
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