鎌倉市で民泊を始めるには?許可・届出・条例と申請窓口を解説
鎌倉市で民泊を始める方向けに、住宅宿泊事業法の届出、旅館業法の許可、180日ルール、鎌倉市民泊ガイドライン、鎌倉保健福祉事務所への申請手順を公式情報で解説します。

鎌倉市でAirbnbなどを利用して民泊を始めるには、物件を掲載する前に、旅館業法の許可、住宅宿泊事業法の届出、国家戦略特区法の認定のいずれかに該当する手続きが必要です。鎌倉市で住宅宿泊事業を行う場合、届出・相談窓口は神奈川県鎌倉保健福祉事務所環境衛生課です。
この記事では、鎌倉市・神奈川県・観光庁・厚生労働省の公式情報をもとに、鎌倉で民泊を始める方法、年間180日ルール、住宅の要件、鎌倉市民泊ガイドライン、届出前の確認先、営業開始後の義務を順番に解説します。
この記事は2026年9月8日時点の公式情報を確認して作成しています。制度、必要書類、窓口、地域の運用は変更される場合があります。物件の購入・賃借・改修前に、鎌倉保健福祉事務所、鎌倉市の関係部署、鎌倉市消防本部へ最新情報を確認してください。
鎌倉市で民泊を営業する3つの方法

「Airbnbに登録すれば営業できる」というものではありません。厚生労働省は、民泊サービスを実施するには、旅館業法上の許可、住宅宿泊事業法の届出、国家戦略特区法上の認定のいずれかが必要と案内しています。まず、営業日数、建物の使い方、立地、必要な改修を比較し、利用する制度を決めます。
1. 住宅宿泊事業法に基づく届出
住宅宿泊事業は、法令上の「住宅」に人を宿泊させる制度で、年間の宿泊日数は180日以内です。1年間は毎年4月1日正午から翌年4月1日正午まで、1日は正午から翌日の正午までとして、届出住宅ごとに数えます。
鎌倉市内の届出・相談窓口は、神奈川県鎌倉保健福祉事務所環境衛生課です。神奈川県は、事前確認、必要書類の準備、民泊制度運営システムによる届出、届出番号の発番、標識掲示、事業開始という流れを案内しています。届出内容に不備や確認事項がある場合もあるため、営業開始日を先に確定せず、事前相談から進めましょう。
2. 旅館業法に基づく許可
年間180日を超えて営業したい場合や、建物が住宅宿泊事業の「住宅」要件を満たさない場合は、簡易宿所営業など旅館業法上の許可を検討します。旅館業では、自治体の条例を含む構造設備・衛生基準のほか、用途地域、建築基準、消防設備などの確認が必要です。
「届出を出せば通年営業できる」「住宅宿泊事業で使えない物件でも簡易宿所なら必ず許可される」とは限りません。物件契約や改修工事の前に、図面と運営計画を用意して鎌倉保健福祉事務所、建築・都市計画の担当部署、消防へ相談してください。
3. 国家戦略特区法に基づく認定
特区民泊は、国家戦略特別区域で自治体が制度を実施している場合に利用できる仕組みです。所在地が制度の対象か、最低宿泊日数や施設要件を満たせるかを、対象自治体の公式情報で確認する必要があります。鎌倉市で計画する場合は、住宅宿泊事業または旅館業を前提に窓口へ確認し、特区民泊を自己判断で選ばないようにしましょう。
住宅宿泊事業に使える物件の要件
住宅宿泊事業の届出ができるのは、設備要件と居住要件を満たす住宅です。空き家や投資用物件であれば自動的に対象になるわけではありません。
台所・浴室・便所・洗面設備が必要
観光庁の民泊制度ポータルサイトでは、届出住宅に台所、浴室、便所、洗面設備の4設備が必要とされています。浴室は浴槽がなくても一般的な機能を持つシャワーがあれば足りる場合がありますが、近隣の公衆浴場を届出住宅の浴室の代わりにすることはできません。
3つの居住要件のいずれかを満たす
建物は次のいずれかに該当する必要があります。
- 現に人の生活の本拠として使用されている家屋
- 入居者の募集が行われている家屋
- 随時、所有者・賃借人・転借人の居住に使われている家屋
観光庁は、別荘、休日に使うセカンドハウス、将来再び居住する予定の空き家などを「随時居住」の例として示しています。一方、居住利用の履歴がなく、宿泊専用として新築された投資用建物は、この要件に該当しないと案内しています。物件の利用実態を説明できる資料を準備してください。
賃貸借契約とマンション管理規約も確認する
賃貸物件では、貸主が転貸と住宅宿泊事業への利用を認めているかを確認します。分譲マンションでは、管理規約に住宅宿泊事業を禁止する定めがないことが前提です。規約に記載がない場合も、管理組合に禁止の意思がないことを確認する資料が求められる場合があります。
所有権があることと、民泊営業ができることは別です。賃貸借契約、転貸承諾、管理規約、管理組合の方針を先に確認し、口頭確認だけで契約や工事を進めないようにしましょう。
鎌倉市民泊ガイドラインと地域の確認事項

鎌倉市は、住宅宿泊事業者が地域に受け入れられる運営を行うため、鎌倉市民泊ガイドラインを公開しています。国の制度だけで判断せず、鎌倉市のガイドラインと神奈川県の指導指針も確認してください。
用途地域・市街化調整区域・地域ルール
鎌倉市の公式案内では、住宅宿泊事業法以外にも、土地・建物や廃棄物処理に関する法令の確認が必要とされています。届出前に、計画地について次を確認します。
- 用途地域:鎌倉市都市計画課
- 市街化調整区域:鎌倉市開発審査課
- 住民協定:鎌倉市建築指導課
- 自主まちづくり計画:鎌倉市都市政策課
同じ鎌倉市内でも、土地の区域、建物の用途、協定や地域計画によって確認事項が変わります。所在地と図面を示し、担当部署から回答を得たうえで鎌倉保健福祉事務所への届出を進めてください。
条例による区域・期間制限を確認する
住宅宿泊事業法では、都道府県等が生活環境の悪化を防止するため、合理的に必要な範囲で、条例により区域を定めて営業期間を制限できる仕組みがあります。神奈川県は、県所管域の制限地域を公式ページで案内しています。
古い記事や他自治体のルールを鎌倉市に当てはめず、物件所在地が制限地域に該当するかを神奈川県の最新資料で確認してください。本記事の更新時点で確認できない個別地番や運用は断定せず、鎌倉保健福祉事務所への事前相談を優先します。
周辺住民への事前周知
観光庁は、住宅宿泊事業の届出にあたり、周辺住民へ事前に説明することを望ましい事項として案内しています。神奈川県の届出案内には事前周知報告書の参考様式も掲載されています。周知範囲、説明方法、記録すべき内容は、県の指導指針と鎌倉市民泊ガイドラインを確認してください。
説明時には、営業者・管理者の連絡先、宿泊者の出入り、騒音・ごみ・喫煙・駐車への対策、苦情を受けた場合の対応方法を具体的に伝え、説明日と対象者を記録しておくと確認がしやすくなります。
鎌倉市で届出する前の7つの確認

1. 営業制度と年間営業日数
住宅宿泊事業の180日以内で運営するのか、旅館業の許可を取得して営業するのかを決めます。営業日数だけでなく、住宅要件、用途地域、改修内容、管理方法まで比較してください。
2. 土地・建物の適法性
用途地域、市街化調整区域、建物用途、増改築履歴、検査済証の有無、避難経路などを確認します。住宅宿泊事業の届出が受理されることと、建築・都市計画関係法令に適合することは別の確認です。
3. 消防設備と安全措置
必要な消防設備や安全措置は、建物の規模、構造、間取り、宿泊室の面積、家主の居住状況などによって変わります。観光庁は、非常用照明、避難経路の表示、火災その他の災害時に宿泊者の安全を確保する措置を求めています。
鎌倉市は、消防法と鎌倉市火災予防条例について鎌倉市消防本部予防課へ確認するよう案内しています。消火器、火災警報器、自動火災報知設備、誘導灯などの要否を自己判断せず、設備を購入・施工する前に図面を示して相談してください。
4. 家主不在型と管理委託
宿泊者の滞在中に事業者が不在となる場合、原則として住宅宿泊管理業務を国土交通大臣の登録を受けた住宅宿泊管理業者へ委託します。また、一つの届出住宅の居室数が5を超える場合も管理委託が必要です。
管理業者を選ぶ際は、本人確認、鍵の受け渡し、清掃、設備不良、騒音、ごみ、災害、近隣からの苦情に誰がどの時間帯で対応するかを契約書で確認しましょう。「予約対応だけ」「清掃だけ」の契約で法令上必要な管理業務を満たすとは限りません。
5. ごみ処理
民泊事業で発生するごみは、家庭ごみと同じ集積所へ出せるとは限りません。鎌倉市は、事業系ごみの排出・分別についてごみ対策課笛田分室へ確認するよう案内しています。収集運搬の委託が必要か、保管場所や分別方法をどうするかを開業前に決めてください。
6. 食事・温泉・浴場などの追加手続き
宿泊制度の許可・届出だけで、食事提供や温泉利用に関するすべての手続きが完了するわけではありません。神奈川県は、食事を提供する場合は食品衛生法、温泉を利用させる場合は温泉法、マンション内の大浴場等を宿泊者に利用させる場合は公衆浴場法の手続きが関係すると案内しています。計画内容を保健福祉事務所へ具体的に伝えてください。
7. 保険と緊急時対応
観光庁は、住宅宿泊事業のリスクを考慮し、火災保険や第三者への賠償責任保険など適切な保険への加入を望ましい事項としています。既存の住宅向け保険が宿泊事業中の事故を補償するとは限らないため、用途と運営方法を保険会社へ伝えて補償範囲を確認しましょう。
鎌倉市で住宅宿泊事業を届け出る流れ
神奈川県と鎌倉市の案内をもとにすると、準備は次の順番で進めると確認漏れを減らせます。
- 住宅宿泊事業、旅館業など営業制度を比較する
- 鎌倉市民泊ガイドラインと神奈川県の事前確認用チェックシートを読む
- 用途地域、市街化調整区域、住民協定、自主まちづくり計画を確認する
- 鎌倉保健福祉事務所、消防、建築関係部署へ事前相談する
- 賃貸借契約、転貸承諾、マンション管理規約を確認する
- 消防・安全設備、管理委託、周辺周知、ごみ処理の体制を整える
- 届出書と添付書類を準備し、原則として民泊制度運営システムから届け出る
- 届出番号の通知後、標識を公衆の見やすい場所へ掲示する
- 宿泊者名簿、本人確認、定期報告、苦情対応の運用を整えて営業を始める
神奈川県は、法人と個人で必要書類が異なるとして、最新の必要書類一覧表を公開しています。インターネットを使用できない場合は窓口での届出も案内されています。書類名や添付方法を古い解説記事だけで判断せず、提出時点の一覧表を確認してください。
営業開始後に必要な管理
届出番号が発番された後も、住宅宿泊事業者には継続的な義務があります。Airbnbなどへの掲載と予約管理だけでなく、法令上の記録・報告・現場対応を運営手順に組み込みます。
衛生・安全の確保
居室の床面積は宿泊者1人当たり3.3平方メートル以上を確保し、定期的に清掃・換気を行います。非常用照明、避難経路の表示など、建物に応じて必要な安全措置も維持してください。
宿泊者名簿と本人確認
宿泊者本人を確認したうえで、氏名、住所、職業、宿泊日を名簿に記載し、作成日から3年間保存します。日本国内に住所を有しない外国人宿泊者については、国籍と旅券番号を記載し、旅券の写しを名簿とともに保存します。
外国語での案内
外国人旅行者には、設備の使用方法、交通手段、火災・地震など災害時の通報連絡先を外国語で案内します。翻訳文を用意するだけでなく、避難経路、緊急連絡先、立入禁止区域などを現地で確認できる状態にしましょう。
騒音・ごみ・火災防止の説明と苦情対応
宿泊者に対し、騒音、ごみ処理、火災防止について書面その他の適切な方法で説明し、周辺住民からの苦情・問い合わせに適切かつ迅速に対応します。連絡先を掲示するだけでなく、現地対応者、エスカレーション先、対応記録の保存方法まで決めておくことが重要です。
標識掲示と2か月ごとの定期報告
届出住宅ごとに、公衆の見やすい場所へ所定の標識を掲示します。また、毎年2月、4月、6月、8月、10月、12月の15日までに、直前2か月分の宿泊日数、宿泊者数、延べ宿泊者数、国籍別宿泊者数を神奈川県知事へ報告します。民泊制度運営システムまたは県の案内する様式を利用してください。
鎌倉市の民泊に関するよくある質問

鎌倉市で民泊を始めるには許可が必要ですか?
営業方法に応じて手続きが必要です。住宅宿泊事業は神奈川県への届出、簡易宿所などは旅館業法上の許可が基本となります。Airbnbへの物件登録だけでは営業を始められません。
鎌倉市の住宅宿泊事業はどこへ届け出ますか?
鎌倉市内の相談・届出窓口は、神奈川県鎌倉保健福祉事務所環境衛生課です。鎌倉市公式ページと神奈川県公式ページで最新の窓口・必要書類を確認し、相談を希望する場合は事前予約の要否も確認してください。
住宅宿泊事業なら年間何日営業できますか?
全国共通の上限は年間180日です。ただし、条例による区域・期間制限がある場合は、180日すべてを営業できるとは限りません。物件所在地について神奈川県の最新の制限地域資料を確認してください。
空き家なら住宅宿泊事業の届出ができますか?
空き家であるだけでは判断できません。台所、浴室、便所、洗面設備を備え、生活の本拠、入居者募集、随時居住のいずれかの居住要件を満たす必要があります。宿泊専用で居住実態のない建物は対象にならない場合があります。
自宅を留守にして運営できますか?
宿泊中に事業者が不在となる場合は、原則として登録住宅宿泊管理業者への管理委託が必要です。一時的な不在の扱いや例外要件は細かく定められているため、運営者の居住場所と不在時間を示して窓口へ確認してください。
消防署への相談は届出後でもよいですか?
必要設備が建物条件で変わるため、契約・改修・設備購入の前に相談するのが安全です。鎌倉市は、消防法と鎌倉市火災予防条例について鎌倉市消防本部予防課へ確認するよう案内しています。
まとめ
鎌倉市で民泊を始めるには、最初に住宅宿泊事業と旅館業などの制度を比較し、物件が住宅要件、土地・建物の規制、消防・安全基準、契約・管理規約を満たせるかを確認します。住宅宿泊事業の相談・届出先は神奈川県鎌倉保健福祉事務所環境衛生課です。
とくに、根拠のない収益予測や古い地域ルールを前提に物件を契約すると、届出や許可ができず、計画の見直しが必要になるおそれがあります。鎌倉市民泊ガイドラインと神奈川県のチェックシートを読み、行政・消防への事前相談を終えてから契約や改修を進めましょう。


