Airbnb収入はいくら?売上・利益の計算方法と税金・確定申告を解説
Airbnbでホストを始めると、月にいくらの収入を得られるのでしょうか。結論からいうと、全国共通の「平均月収」だけで判断することはできません。


Airbnbでホストを始めると、月にいくらの収入を得られるのでしょうか。結論からいうと、全国共通の「平均月収」だけで判断することはできません。宿泊単価、予約日数、営業できる日数、清掃費、賃料、代行費などによって、同じ地域でも手元に残る金額は変わります。
大切なのは、Airbnbからの入金額をそのまま利益と考えず、「売上」「経費」「税引前利益」を分けて試算することです。この記事では、Airbnb収入の計算方法、具体的な試算例、税金と確定申告、適法に営業するための確認事項を整理します。
この記事は2026年9月12日時点の観光庁・国税庁の公式情報を確認して作成しています。収益・税額・許認可は個別条件で異なります。物件の契約や改修前に、所在地の自治体、保健所、消防、税務署、必要に応じて税理士などへ確認してください。
Airbnb収入は「売上」と「利益」を分けて考える
Airbnbホストの収入を確認するときは、少なくとも次の3段階に分けます。
- 売上:宿泊料金、清掃料金など、ゲストの予約に伴って発生する収入
- 入金額:売上からプラットフォーム上の手数料や調整額などが反映された振込額
- 利益:売上から、清掃、光熱、賃料、消耗品、管理委託など運営に必要な費用を差し引いた金額
「月商30万円」と「月の利益30万円」は同じではありません。入金明細だけで採算を判断せず、Airbnb以外で支払った費用も含めて月ごとの収支表を作りましょう。
Airbnbの月収・年収を計算する基本式
月間売上の計算
基本となる式は次のとおりです。
月間宿泊売上 = 平均宿泊単価 × 予約された泊数
清掃料金などをゲストから別に受け取る場合は、その収入も分けて記録します。ただし、清掃料金を受け取っても清掃会社への支払いがあるため、受取額の全額が利益になるとは限りません。
税引前利益の計算
税引前利益 = 売上 − 運営に必要な費用
運営費には毎月ほぼ一定の固定費と、予約件数や宿泊日数に応じて増減する変動費があります。所得税や住民税の計算前に、まず事業・業務としての利益を把握します。
年収を考えるときの注意点
1か月の売上を単純に12倍すると、繁忙期と閑散期、休業、修繕、条例による営業期間の制限を反映できません。年収を試算する場合は、月ごとに単価と予約泊数を変え、少なくとも通常・低稼働・高稼働の複数ケースを作ります。
住宅宿泊事業法に基づく届出住宅では、年間提供日数は180日以内です。観光庁によると、1年は毎年4月1日正午から翌年4月1日正午まで、1日は正午から翌日正午までとして、届出住宅ごとに算定されます。さらに条例で実施期間が制限される場合があります。
Airbnb収入の試算例
以下は計算方法を示すための仮定であり、実際の相場や収益を保証するものではありません。
- 平均宿泊単価:15,000円
- 予約泊数:月12泊
- 宿泊売上:15,000円 × 12泊 = 180,000円
- その月の運営費合計:110,000円
- 税引前利益:180,000円 − 110,000円 = 70,000円
平均宿泊単価が同じでも、予約泊数が減れば売上は下がります。反対に予約が増えると、清掃、リネン、消耗品、光熱費、ゲスト対応などの費用も増えることがあります。売上だけでなく、1予約あたりの変動費と毎月の固定費を分けると、損益分岐点を把握しやすくなります。
損益分岐点を確認する
1泊あたりの販売価格から、その宿泊に連動する費用を差し引いた金額を「1泊あたりの限界利益」として整理すると、固定費を回収するために必要な泊数を概算できます。
損益分岐となる泊数 = 月間固定費 ÷ 1泊あたりの限界利益
実際には連泊、清掃回数、料金の変動、キャンセル、返金などがあるため、予約単位でも確認してください。計算上の必要泊数が法令・条例上の営業可能日数や現実的な需要を超える場合は、物件取得前に計画を見直す必要があります。

Airbnb収入を左右する7つの要因
1.営業方式と営業可能日数
日本国内で民泊を行う主な制度には、旅館業法の許可、国家戦略特区法の認定、住宅宿泊事業法の届出があります。営業日数、立地、設備、滞在日数などの条件が異なるため、Airbnbへ掲載できるかだけで営業方式を決めることはできません。
2.立地と宿泊需要
駅、観光地、空港、イベント会場へのアクセスだけでなく、季節ごとの需要、競合施設、地域で求められる宿泊人数や滞在期間を確認します。周辺の掲載価格は売上実績ではないため、表示価格だけで年間収入を見積もらないようにします。
3.平均宿泊単価
料金を上げれば売上が必ず増えるわけではありません。予約が減る可能性があるため、単価と稼働を一緒に見ます。曜日、繁忙期、連泊、直前予約など、条件ごとの実績を記録して調整します。
4.予約泊数と予約件数
同じ12泊でも、1泊の予約が12件ある場合と、6連泊が2件ある場合では、清掃回数やメッセージ対応の負担が異なります。泊数だけでなく、予約件数、平均滞在日数、清掃回数も確認します。
5.物件にかかる固定費
賃料、ローン返済、管理費、保険、通信、システム利用料などは、予約が少ない月にも発生します。賃貸物件や分譲マンションでは、賃貸借契約や管理規約で転貸・宿泊利用が認められているかを契約前に確認してください。
6.清掃・運営の変動費
清掃、リネン、アメニティ、決済・仲介に関する手数料、ゲスト対応、緊急対応、修繕などを見込みます。金額は物件や契約先で異なるため、根拠のない相場ではなく、実際の見積書や契約条件を使います。
7.運営品質とレビュー
説明と実物の一致、清潔さ、問い合わせ対応、チェックインの分かりやすさは、予約やレビューに影響します。ただし、高評価を得れば一定の収入が保証されるわけではありません。レビューとともに、閲覧数、予約率、キャンセル、再予約などを継続して確認します。
Airbnb運営で計上する費用のチェックリスト
収支計画では、次の項目を一つずつ自分の契約・請求書で確認します。
- 物件の賃料、ローン返済、管理費
- 水道光熱費、インターネット料金
- 清掃、リネン、廃棄物処理
- 家具、家電、寝具、アメニティ、消耗品
- プラットフォームや決済に関する手数料
- 住宅宿泊管理業者や運営代行会社への委託費
- 火災・賠償などの保険料
- 消防設備、標識、安全設備、点検
- 修繕、交換、写真撮影、広告
- 会計ソフト、税理士などの専門家費用
国税庁は、事業所得・不動産所得・雑所得の計算上、総収入を得るために直接要した費用や、その年に生じた業務上の費用を必要経費に算入できると案内しています。一方、家事上の費用は原則として必要経費にならず、家事と業務の両方に関わる費用は、記録などに基づき業務上必要な部分を明確に区分する必要があります。
支出したものがすべてその年の必要経費になるとは限りません。家具・家電・設備などは、取得価額や使用期間に応じて減価償却が必要になる場合があります。領収書、請求書、予約・入金明細、使用割合の根拠を保存し、判断に迷う場合は税務署や税理士へ確認してください。
Airbnb収入の税金と確定申告
課税対象は原則として収入ではなく所得
所得税を考える際は、Airbnbから受け取った売上全額ではなく、所得区分に応じて収入から必要経費を差し引いた所得を計算します。所得が雑所得、事業所得、不動産所得などのどれに当たるかは、提供するサービス、事業規模、運営実態などで異なり、一律には決められません。
「物件を貸しているから必ず不動産所得」「副業だから必ず雑所得」と自己判断せず、実際の業務内容と帳簿を示して税務署や税理士へ相談するのが安全です。
会社員の「20万円」は売上ではなく所得で判定する
国税庁は、給与を1か所から受け、その全部が源泉徴収の対象となる場合、給与所得・退職所得以外の各種所得金額の合計が20万円を超える人などを、確定申告が必要な給与所得者として案内しています。20万円はAirbnbの入金額ではなく、一定条件のもとで判定する所得金額です。
給与を2か所以上から受けている場合、給与収入が2,000万円を超える場合、医療費控除などで申告する場合などは取扱いが変わります。また、所得税の確定申告が不要でも住民税の申告が必要となる場合があります。自分の条件に合わせて国税庁・自治体の案内を確認してください。
申告に備えて保存したい記録
- Airbnbの予約、売上、調整、入金の明細
- 清掃・代行・修繕などの請求書と領収書
- 現金、口座、クレジットカードの入出金
- 家具・家電・設備の購入日と金額
- 自宅兼用の場合の面積・使用時間など按分根拠
- キャンセル、返金、損害補償など通常と異なる取引
月ごとに売上と費用を記帳し、年末にまとめて明細を探す状態を避けましょう。申告書は国税庁の確定申告書等作成コーナーから作成・提出できます。

Airbnbで収入を得る前に確認する法令・手続き
Airbnbは宿泊者と施設をつなぐプラットフォームであり、掲載手続きだけで日本国内の営業許可・届出が完了するわけではありません。観光庁は、国内で民泊を行う場合の主な方法として、次の3つを案内しています。
- 旅館業法の許可を得る
- 国家戦略特区法に基づく認定を得る
- 住宅宿泊事業法に基づく届出を行う
住宅宿泊事業法の主な確認事項
- 都道府県知事等への届出が必要
- 年間提供日数は180日以内
- 条例により実施区域・期間が制限される場合がある
- 衛生確保、騒音防止の説明、苦情対応、宿泊者名簿、標識掲示などの義務がある
- 家主不在型など一定の場合、住宅宿泊管理業者への委託が必要
- 住宅は台所、浴室、便所、洗面設備などの設備要件と居住要件を満たす必要がある
このほか、消防法令、建築関係法令、廃棄物、食品提供、温泉、賃貸借契約、マンション管理規約などの確認が必要になる場合があります。窓口と必要書類は所在地・営業方式で異なるため、改修や家具購入より先に管轄へ相談してください。

Airbnb収入を改善する5つの手順
手順1.売上・費用・作業時間を月次で記録する
まず、予約泊数、平均宿泊単価、売上、費用、利益、清掃回数、対応時間を同じ形式で記録します。利益が出ても対応時間が過大なら、長期的に継続できない可能性があります。
手順2.掲載単位ではなく予約単位で採算を見る
1予約ごとに売上、滞在日数、清掃費、消耗品、対応時間を整理します。短期予約が増えた結果、清掃回数だけ増えて利益が減っていないか確認します。
手順3.料金と最低宿泊日数を同時に見直す
料金だけを上下させず、曜日、連泊、清掃負担、直前予約、キャンセル条件などをまとめて検討します。競合の表示価格をそのまままねるのではなく、自施設の利益と予約実績を基準にします。
手順4.固定費の追加は低稼働ケースで判断する
有料ツールや運営代行を導入する際は、削減できる作業時間と追加費用を比較します。通常月だけでなく、予約が少ない月にも固定費を支払えるか確認してください。
手順5.法令・契約・安全対策を定期確認する
短期的な売上を優先して営業可能日数や条例を超えると、事業継続そのものに影響します。営業日数、宿泊者名簿、標識、消防設備、委託契約、管理規約などを定期的に点検します。
毎月確認したいAirbnb収入の指標
- 予約泊数:実際に販売できた泊数
- 平均宿泊単価:宿泊売上 ÷ 予約泊数
- 平均滞在日数:予約泊数 ÷ 予約件数
- 予約1件あたり利益:予約に対応する売上 − 変動費
- 月間税引前利益:月間売上 − 固定費 − 変動費
- 作業時間:清掃、連絡、会計、トラブル対応などの合計
- 営業日数:法令・条例上の算定に沿った提供日数
Airbnbの管理画面に表示される数字だけでは、自社口座から支払った費用や作業時間まで把握できません。会計記録と運営記録を照合し、「売上は増えたが利益は減った」という変化を見逃さないようにします。
よくある質問
Airbnbホストの平均月収はいくらですか?
物件、地域、営業方式、宿泊人数、価格、予約泊数、費用が異なるため、単一の平均値を自分の収入見込みとして使うのは適切ではありません。候補物件の営業可能日数と実際の見積書を使い、低稼働・通常・高稼働の3ケースで試算してください。
Airbnbの入金額がそのまま所得になりますか?
必ずしもそうではありません。所得税では、所得区分に応じて収入から必要経費を差し引いて所得を計算します。家事費との区分、減価償却、所得区分などは個別条件で異なるため、帳簿と資料を基に確認してください。
副業のAirbnb収入が20万円以下なら申告不要ですか?
一律に申告不要とはいえません。国税庁の20万円基準は、一定の給与所得者について給与・退職所得以外の「所得金額」で判定するものです。給与の受取先などで条件が変わり、住民税の申告が別途必要な場合もあります。
住宅宿泊事業の届出をすれば一年中営業できますか?
できません。住宅宿泊事業法に基づく年間提供日数は180日以内で、さらに自治体の条例で実施期間が制限される場合があります。一年を通じた営業を検討する場合でも、物件が旅館業法など別制度の要件を満たすかを行政窓口へ確認する必要があります。
運営代行を使えば利益は増えますか?
利益が増えるとは限りません。対応時間を減らしたり運営品質を安定させたりできる可能性がある一方、委託費が発生します。サービス範囲、清掃費、緊急対応、契約期間、解約条件を確認し、委託前後の利益と作業時間を比較してください。

まとめ:Airbnb収入は平均値ではなく自分の収支で判断する
Airbnb収入を検討するときは、月収・年収の大きさだけでなく、手元に残る利益と継続可能性を確認することが重要です。
- 平均宿泊単価と予約泊数から売上を計算する
- 固定費と変動費を分け、税引前利益を確認する
- 低稼働月、修繕、営業日数制限を含めて年間計画を作る
- 税務は売上ではなく所得で考え、帳簿と証憑を保存する
- 掲載前に営業制度、条例、消防、契約・管理規約を確認する
最初の一歩として、候補物件の宿泊単価、月ごとの予約泊数、固定費、1予約ごとの費用を1枚の収支表にまとめてください。その数字が法令上の営業可能日数と現実的な需要の範囲で成立するかを確認してから、契約や改修へ進みましょう。
確認した公式情報
- 観光庁 民泊制度ポータルサイト「はじめに『民泊』とは」:日本国内で民泊を行う主な3制度と制度比較を確認
- 観光庁「住宅宿泊事業法(民泊新法)とは?」:届出、年間180日上限、条例、管理委託、住宅要件、日数算定を確認
- 国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人」:給与所得者の20万円基準を含む確定申告条件を確認
- 国税庁「必要経費の知識」:必要経費、家事関連費、算入時期の考え方を確認
法令、条例、税制、プラットフォームの契約条件は変更されることがあります。実際に営業・申告を行う時点で、公式ページと管轄窓口の最新案内を確認してください。


