滋賀県で民泊を始めるには?許可・届出・条例と草津市の制限を解説
滋賀県で民泊を始める方向けに、住宅宿泊事業と旅館業の違い、草津市の一部区域における条例制限、届出・消防・管理委託のポイントを公式情報に基づいて解説します。

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滋賀県で民泊を始める方法は、大きく分けて住宅宿泊事業法に基づく届出と、旅館業法に基づく許可の2つです。どちらを選ぶかによって、営業日数、使える建物、必要な設備、相談・申請先が変わります。
特に滋賀県では、住宅宿泊事業に県独自のガイドラインがあり、草津市の一部区域には曜日・時間帯による営業制限があります。物件を契約してから営業できないと分かる事態を避けるため、住所と運営方式を決めた段階で行政、消防、建築部門へ相談しましょう。
この記事は2026年9月5日時点の滋賀県・大津市・観光庁などの公式情報を確認して作成しています。制度や窓口、必要書類は変更される場合があるため、申請や工事の前に必ず最新情報をご確認ください。
滋賀県で民泊を始める2つの方法

「民泊」は法律上の単一の営業区分ではありません。住宅を活用して年間180日以内で営業する住宅宿泊事業と、簡易宿所などの旅館業では手続きが異なります。
住宅宿泊事業法に基づく届出
住宅宿泊事業は、一定の要件を満たす住宅について滋賀県知事へ届出を行い、年間180日を上限に宿泊サービスを提供する制度です。滋賀県の公式案内では、届出は原則として全国共通の「民泊制度運営システム」を利用するとされています。
対象となる建物には、台所、浴室、便所、洗面設備が必要です。さらに、現に人の生活の本拠として使用されている、入居者を募集している、または随時所有者・賃借人等の居住に使われているなど、法令上の「住宅」の要件を満たさなければなりません。単に空き家であるだけでは届出住宅になるとは限りません。
旅館業法に基づく許可
年間180日を超えて営業したい場合や、住宅要件を満たさない建物で宿泊事業を行う場合は、旅館業法に基づく簡易宿所営業などの許可を検討します。滋賀県は、旅館業を経営する場合はあらかじめ許可を受ける必要があると案内しています。
旅館業では用途地域、建築基準、消防設備、衛生上の構造設備基準などを確認します。相談先は物件所在地によって異なり、大津市内は大津市保健所、それ以外の地域は管轄の県保健所等です。物件契約や改修工事の前に図面を用意して相談してください。
特区民泊は滋賀県内なら使える制度ではない
国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業、いわゆる特区民泊は、国家戦略特区に指定されているだけで自動的に利用できる制度ではありません。自治体が条例を制定し、認定手続きを運用していることが前提です。滋賀県での計画では、住宅宿泊事業または旅館業を基本に実現可能性を確認しましょう。
滋賀県の民泊条例:草津市の一部区域に営業制限
滋賀県の「住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例」では、草津市野路東三丁目、野路東四丁目、野路東五丁目を規制区域としています。
この区域では、原則として日曜日の正午から金曜日の正午まで住宅宿泊事業を実施できません。ただし、祝日の前日の正午から祝日の正午まで、1月1日正午から1月3日正午まで、12月28日正午から12月31日正午までなど、条例に定められた除外があります。
その他の区域では、滋賀県の案内上、住宅宿泊事業法による年間営業日数の上限は180日です。ただし、都市計画法、建築基準法、消防法、管理規約、賃貸借契約などの確認は別途必要です。「条例区域外だから営業できる」と即断せず、物件の地番や住所を示して確認してください。
滋賀県独自ガイドラインで確認すること
滋賀県は、住宅宿泊事業法令と国のガイドラインに加えて守るべき事項を「滋賀県住宅宿泊事業に関するガイドライン」にまとめています。届出前には本文と最新様式を確認しましょう。
周辺住民等への事前周知
滋賀県のガイドラインでは、事業開始までに周辺住民等への周知が必要です。周知対象や内容は物件ごとに確認し、実施日、対象、説明内容、寄せられた要望を記録しておくと、開業後の認識違いを減らせます。
標識の掲示
住宅宿泊事業者は、届出住宅の外側で公衆の見やすい場所に所定の標識を掲示します。滋賀県は届出受理後に標識を発行し、届出者へ送付すると案内しています。予約サイトへの届出番号表示だけで標識掲示の代わりにはなりません。
関係法令の手続き
住宅宿泊事業の届出は、消防法、都市計画法、ごみ処理関係法令などへの適合を一括して保証するものではありません。県の関係法令窓口一覧も使い、消防、建築、都市計画、廃棄物担当へ個別に確認します。
滋賀県で民泊の届出をする前のチェックリスト

1. 住所と制度を決める
同じ滋賀県内でも、住宅宿泊事業と旅館業で窓口が異なります。まず物件の正確な住所、建物用途、所有・賃貸の別、家主居住型か不在型か、想定営業日数を整理しましょう。
2. 賃貸借契約と管理規約を確認する
賃貸物件では、貸主が住宅宿泊事業への利用や転貸を承諾していることを確認します。分譲マンションでは、管理規約に民泊を禁止する定めがないかを確認し、必要な書面を準備します。口頭の了承だけで進めず、契約書、承諾書、総会・理事会の記録など、確認経緯を残してください。
3. 都市計画・建築上の制限を確認する
旅館業は用途地域によって立地できない場合があります。住宅宿泊事業でも、市街化調整区域などでは住宅の用途や使用者に制限がある場合があります。既存建物の検査済証、増改築履歴、耐震性、避難経路も含め、所在地の建築・都市計画担当へ相談しましょう。
4. 消防署へ事前相談する
必要な消防設備は、建物の構造、規模、間取り、家主の居住状況、宿泊室面積などによって異なります。火災警報器、消火器、誘導灯、自動火災報知設備などの要否をインターネット情報だけで判断せず、図面を持参して所轄消防署へ相談してください。
滋賀県の届出添付書類一覧には消防法令適合通知書が含まれています。大津市では、所轄消防署への事前相談、交付申請、書類審査、現地検査を経て通知書が交付される流れが案内されています。
5. ごみ処理方法を決める
宿泊事業で発生するごみは、家庭ごみと同じ方法で処理できない場合があります。大津市は、旅館業・住宅宿泊事業で発生するごみを事業系廃棄物とし、家庭ごみ集積所へ出せないと案内しています。所在地の自治体へ確認し、必要に応じて許可業者へ委託しましょう。
家主不在型と管理委託の注意点
滋賀県の公式案内では、届出住宅の居室数が5を超える場合、または宿泊者の滞在中に事業者が不在となる場合は、原則として国土交通大臣の登録を受けた住宅宿泊管理業者へ管理業務を委託する必要があります。法人が住宅宿泊事業者となる場合も不在に該当すると案内されています。
管理業者を選ぶ際は、委託料だけでなく、本人確認、宿泊者名簿、鍵管理、苦情受付、緊急時の現地対応、清掃、ごみ処理、設備点検、定期報告に必要な情報共有まで確認します。契約範囲外の業務や追加費用も書面で確認してください。
滋賀県で住宅宿泊事業を始める流れ
- 物件所在地と営業方式を整理する
- 草津市の条例規制区域に該当しないか確認する
- 住宅要件、用途地域、賃貸借契約、管理規約を確認する
- 滋賀県、消防、建築・都市計画、廃棄物担当へ事前相談する
- 周辺住民等への事前周知を行う
- 必要な消防・安全設備と管理体制を整える
- 民泊制度運営システム等で滋賀県へ届出する
- 標識、宿泊者名簿、本人確認、苦情対応、定期報告の運用を準備する
- 届出番号の通知後、適法な状態を確認して営業を始める
滋賀県の公式ページには、法人・個人別の添付書類一覧、届出・相談受付票、誓約書、消防関係書類などが掲載されています。証明書の有効期間や原本・写しの扱いを自己判断せず、提出直前に最新版を確認してください。
民泊運営で必要な実務

宿泊者名簿と本人確認
住宅宿泊事業者には宿泊者名簿の備付けや本人確認などの義務があります。日本国内に住所を有しない外国人宿泊者については、旅券の写しの保存など、法令・ガイドラインに沿った対応が必要です。管理業者へ委託する場合も、情報の保管場所と引き渡し方法を決めましょう。
2か月ごとの定期報告
滋賀県は、毎年2月、4月、6月、8月、10月、12月の各15日までに、直近2か月分の宿泊日数、宿泊者数、延べ宿泊者数、国籍別宿泊者数を報告するよう案内しています。予約台帳と宿泊者名簿を日常的に照合し、報告時に集計できる状態にします。
騒音・ごみ・駐車への対応
予約前とチェックイン時に、静穏時間、パーティーや喫煙の可否、ごみの分別、駐車場所、共用部の利用方法を具体的に案内します。苦情連絡先を明確にし、遠隔メッセージだけでは解決できない場合の現地対応者を決めておきましょう。
料金と収支は物件ごとに試算する
宿泊単価や稼働率は、立地、定員、設備、曜日、季節、競合、レビューによって変わります。根拠のない「滋賀県の平均単価」や一律の価格調整率で投資判断をせず、比較条件をそろえた競合調査と複数シナリオで試算してください。
- 売上:宿泊単価、販売泊数、清掃料金など
- 固定費:家賃、通信費、保険、システム利用料など
- 変動費:清掃、リネン、消耗品、予約サイト手数料など
- 初期費用:消防設備、改修、家具・家電、申請支援など
- 予備費:設備故障、追加工事、空室期間への備え
滋賀県の民泊に関するよくある質問

滋賀県の民泊は年間何日まで営業できますか?
住宅宿泊事業法に基づく営業は年間180日が上限です。滋賀県では草津市野路東三丁目・四丁目・五丁目に曜日・時間帯の追加制限があります。旅館業法の許可を受けた営業には、住宅宿泊事業法の180日上限は適用されません。
大津市の住宅宿泊事業の届出先はどこですか?
大津市内の住宅宿泊事業も、届出先は滋賀県です。一方、大津市内で旅館業の許可を申請する場合は大津市保健所が窓口です。消防、建築、廃棄物などの相談は、それぞれの担当部署へ行います。
賃貸マンションでも民泊はできますか?
貸主が住宅宿泊事業への利用や転貸を承諾し、管理規約でも禁止されておらず、住宅・消防・建築などの要件を満たす場合に検討できます。貸主の承諾と管理規約の確認を、物件契約前に書面で行ってください。
消防設備は何を設置すればよいですか?
建物条件によって異なるため、一律には決められません。所轄消防署へ図面を持参して事前相談し、必要な設備と消防法令適合通知書の手続きを確認してください。
滋賀県で特に確認すべき条例はありますか?
住宅宿泊事業では、草津市の一部区域を対象とする滋賀県条例と、滋賀県住宅宿泊事業に関するガイドラインを確認します。旅館業、景観、建築、都市計画などのルールは物件所在地や建物条件で変わるため、各担当窓口にも相談してください。
公式情報・相談窓口
- 滋賀県「住宅宿泊事業(民泊)について」
- 滋賀県住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例
- 滋賀県「旅館に関すること」
- 大津市「民泊(旅館業法と住宅宿泊事業法等)について」
- 大津市「住宅宿泊事業の届出に伴う消防法令適合通知書」
- 観光庁 民泊制度ポータルサイト
まとめ:滋賀県の民泊は条例と窓口を契約前に確認

滋賀県で民泊を始めるときは、年間180日以内の住宅宿泊事業か、旅館業法の許可を受ける営業かを最初に決めます。住宅宿泊事業では、住宅要件に加えて、滋賀県独自ガイドラインと草津市の一部区域における営業制限の確認が必要です。
物件契約や設備工事より前に、滋賀県、大津市保健所または管轄保健所、消防、建築・都市計画、廃棄物担当へ相談しましょう。公式情報と物件固有の条件に基づいて準備することが、開業後の法令違反や追加工事、近隣トラブルを防ぐ近道です。


