営業担当者がよく言う3つの口グセ
築26年の木造住宅に住んでいたAさん。夫婦2人暮らしでは家が広すぎると感じるようになり、駅から近くて便利なマンションに住み替えたいと考え、大手不動産仲介会社に査定を依頼しました。建物は時々手を入れて丁寧に使ってきたし、まだまだ使えると思っていたのに、営業担当者からのひと言にがく然とします。
「これは土地値になっちゃいますね」
土地値というのはつまり、建物の価格はゼロで、土地代金分の価格しかつけられないという意味です。担当者曰く、日本の木造住宅は築25年で価値がゼロになるのが当たり前で、マンションでも築30年が過ぎれば、大幅に安くしないと売りにくいとのことでした。この「築25年でゼロ」の査定、全くのウソではありませんが、どんな物件にもあてはまるわけでもありません。同じ40歳の人でも、健康的な人とそうでない人がいるように、家にも違いがあってしかるべきです。
では、中古住宅がなぜそのような査定をされてしまうのか、そしてどうやって価格をアップすればいいのか・・・一つ言えることは「築25年でゼロ」の査定は不動産会社の単なる「口グセ」だと思って、受け流すことをおすすめします。
不動産会社の口グセはほかにもあります。
「今が売り時です」
これも売却の委任をもらうための一種の口グセです。残念ながら、お客さまにとって本当に売り時かどうかは、営業担当者にとって最優先事項ではありません。とにかく今月の数字を上げるために、売却案件はいつでも欲しいというのがホンネです。また、
「高すぎて売れません」
もよく聞く言葉です。これは、売り主に値下げの決断を迫る時の口グセです。実は、値下げをさせて、早く売ってしまいたいだけかもしれません。この言葉を耳にしたら、納得のできる説明をしてくれるかどうか、きちんと確かめたほうがいいでしょう。
不動産を高く売るには、不動産会社の力によるところが非常に大きいのです。「今が売り時」「高すぎて売れない」といった言葉が常にウソであるとまでは言いませんが、それらを口グセのように安易に使うような不動産会社にあたってしまうと、納得できる売却は実現できないかもしれません。そのようなことにならないように、ご提供する様々な内容をよく読んでいただければと思います。