一括査定サービスのメリットとデメリット<実践編①>
インターネットで、家の売却や価格を知ろうと検索すると、必ずと言っていいほど検索結果で上位に表示されるのが「不動産一括査定サービス」です。物件情報と利用者の情報を入力することで、複数の不動産会社に一括で売却の査定を依頼することができ、大まかな査定内容がメールで送られてくるという仕組みです。大手や準大手の不動産会社から地域の小さい会社まで幅広く参画していて、査定を無料でしてくれるサービスです。この一括査定サービスは、無料で手軽に査定してもらえるので、売却を考えている人にとって非常に便利なようですが、当然ながらメリットとデメリットがあり、表裏一体です。
<メリットとデメリット①>
最大のメリットとしては、売却する際のある程度の相場価格がわかることでしょう。一回の査定で1社から最大6社ほどの不動産会社に査定の依頼を出すことができます。低い価格から高い価格までの幅も知ることができます。自宅の新聞の広告やポストに投函されるチラシから得られる情報に比べて、具体的と言えます。しかし、そこには問題点もあります。まず、この価格が本当に妥当かどうかということです。
前回の基本編で解説したように、不動産会社は査定依頼のたびに1万円程度支払っており、具体的に売却の依頼を受ける、つまり媒介契約を結べないと損するだけです。ということは、なんとしてでも他の会社との競争に勝たねばなりません。そこで発生するのが「高い査定金額提示」という問題です。売り主からすれば少しでも高く売りたいわけですので、高い査定を出してくれる会社はとても良い会社に感じるはずです。しかし、買い主の立場からすれば、その地域で売りに出されている物件情報は収集しています。相場とかけ離れた価格に反応はしないのです。もちろん、価格が高くなる根拠があればそれは別ですが、多くの場合まず媒介契約を獲得するために上手いこと並べているということは知っておきましょう。